為替相場とは何か？

バイナリーオプションは為替相場の変動を予測して、
設定された満期時間までに、価格が上がるか、もしくは下がるのかを予想する投資です。
ここでは、そもそもこの「為替相場」とは何かを
バイナリーオプションの初心者の方でもわかりやすく説明していこうと思います。

バイナリーオプション入門「為替相場とは？」

上の画像はUSD（アメリカドル）とJPY（日本円）の価格の動きを
表示させたチャート画面です。

「為替相場（かわせそうば）」とは日本の”円”やアメリカの”米ドル”といった異なる２カ国間の通貨を、
交換（売買）する際の取引価格、相場のことをいいます。

通貨は日本では「円」が用いられており、アメリカでは「米ドル」
イギリスは「ポンド」、中国では「人民元」など
世界各国では、それぞれの自国通貨が存在します。

各国の地域内での取引なら自国の通貨だけで取引できますが、
各国同士の取引が行われる場合には、異なる通貨間での取引が必要となります。

ニュース等でよく報じられる「１ドル＝○○円」というのがドルと円の為替相場になり、
そのほかにも数多くの通貨の組み合わせによる相場が存在します。

為替相場はなぜ変動するのか？

為替相場はどこかの国が、一方的に価格を決めているのではなく、
為替市場の需要と供給のバランスによって常に変動し続けています。

買いたい人が売りたい人より多くなれば価格は上がり、
反対に、売りたい人が多くなれば価格は下がります。

このあたりは物やサービスの価格が決まる原理と同じですね。
為替取引では、この原理を利用して、
安い時に買って、高い時に売ることで生まれる「為替差益」を狙って
世界中の投資家が為替市場に参加しています。

相場が動くから為替取引という物が成立しているんですね。
では、一体どのようなことが原因で為替相場は変動しているのでしょうか？

１．世界各国の景気と経済状況の変化

まず第一の要因は、各国の景気と経済状況の変化です。
国の景気がよくなったり、経済状況が安定していると、
その国の通貨は投資家から好まれ「買われる」ことになります。
買うというのは、「自国の通貨と交換する」ということですね。

例えばあなたが今にも財政破綻しそうな国に住んでいる、あるお金持ちだったとします。
財政破綻は、会社で例えるなら倒産するのと同じ。

国の運営に失敗してしまうと、その国の各国からの信用は失墜してしまい、
信用を失った国の通貨の信用も、当然無くなります。

信用がなくなった通貨は誰も買ってくれないので、
価値が下がっていきます。

そんな今にも財政破綻しそうな国に住んでいるお金持ちのあなた。
自国の通貨の価値が下がることは、あなたの資産価値が下がるのと同じです。

それなら、景気が良く、経済が安定している国の通貨を持っていたほうが
資産価値を減らすことにもならないし、リスクヘッジができますよね。

これが、経済が安定していて景気が良い国の通貨が「買われる要因」になり、
反対に、景気が悪く財政が安定していない国の通貨が「売られる要因」になるのです。

２．地政学的なリスク

地政学的なリスクというのは、
為替市場に影響を及ぼす可能性がある政治や軍事、社会的な問題のことをいいます。

具体的には「地域紛争の勃発」や「テロリストの脅威」などがあげられますね。
これらの要因は、経済に悪影響を及ぼす可能性が高く、
また投資家心理としても、地政学的なリスクを多く抱えた国の通貨は買いたくありませんよね。
こういった問題を多く抱える国は「通貨安」になりやすく、
最近では中東情勢の悪化によって原油価格が高騰するなどして
世界経済全体に影響を及ぼしています。

２．金利の引き上げ・引き下げ

金利と為替の関係は、単純に金利だけが為替変動の要因となれば、
高金利の通貨は市場に好感されて通貨買いの要因になり、
低金利の通貨は嫌気されて通貨売りの要因となって、その国から資本が流出します。

金利はその国の景気と密接した関係にあり、
日本であれば中央銀行である「日本銀行」が
景気の善し悪しで金利を引き上げたり、引き下げたりして
金利による「通貨の需要」をコントロールしています。
景気が悪くなれば、金利を引き下げて企業や個人がお金を借りやすい状態をつくり、
企業の設備投資や、個人の消費が伸びれば、景気が良くなるきっかけになります。
逆に景気が良くなりすぎると、資金が溢れ「株」や「土地」に異常なほどの投資を引き起こして
バブル経済に発展しかねないので、金利を上げて、引き締めます。
このように政府が金利によって景気をコントロールすることを「政策金利」といいます。

複雑に絡み合う為替相場

為替相場は、世界中の多くの市場参加者の売買によって価格が形成されていくので、
特定の人物が相場を支配することは不可能です。

これまでご紹介してきた通り、為替相場の変動は世界の経済の動きや、
各国の金融政策、戦争や災害などの地政学的なリスクなど、数多くの要因で変動しますので、
個人が支配することができない自然現象のようなものだとも言われています。